念願の多頭飼いの体制を整えて、晴れてデグーの多頭飼い!
「うんうん、仲良くやってるね」という感じで、飼い主が見ているときには全く問題ないペアでも、実はひっそりと問題が発生していることがあります。
デグーの多頭飼いでは、ルームメイトの尻尾をかじってしまうことがあるのです。
齧られている本人が全く気にしていない場合があるかと思えば、ものすごく嫌がって大喧嘩に発展してしまう事もあります。
我が家でも尻尾かじりは起こりました。本記事では、デグーの多頭飼いで起きることがある“尻尾かじりトラブル” について解説していきます。
「どうしたらやめてもらえるの?」「齧られた尻尾は治療した方がいいの?」など、筆者自身、当時困ってしまったことの解決方法をまとめました!
多頭飼い主「デグーの尻尾、なんか短くなってない?」
ある日、突然に気が付いたんですね「がんものしっぽ、短くね?」。
我が家では半年歳の差の男の子兄弟ペアのケージがあります。
兄の“がんも”(写真右)のしっぽが明らかに短くなっているのを見つけました。
デグーの尻尾は先端に向かうにつれて毛が長く多くなっていきます。トランペットの形が正解なんですよね。
しかし、がんものしっぽは先端ほど毛がまばらで、まばらな毛の間に透けて見える白いしっぽ本体もなんか「ギザギザ」っとしていました。
本人は「別に大丈夫です」という感じで、出血も化膿も無かったので様子を見ることにしました。(結局何にも起こらなかったので、病院に行ったりはしませんでした)
多頭飼いでデグーの尻尾は齧られることがある
さて、がんもの尻尾を齧っていたのは、ルームメイトの弟 “チョロ” でした。
「こら!」というところなのですが、なんだか状況は複雑で、初めに尻尾を齧っているのはいつもがんもの方なんですね。
「あそぼ」とか「そこ譲ってよ」みたいに、兄がんもが弟チョロの尻尾を軽く引っ張ります。
チョロ的には「しっぽ引っ張られるのマジ無理」な、ようです。「ゥイイ!」みたいな」抗議の声と共に、がんもの尻尾にやり返します。
それが、倍返しなんですねw
がんも的には肩を押すくらいの感じでチョロの尻尾を引っ張っていて、実際チョロの尻尾は艶々の無キズ。
でも、なんかやられるのが嫌だからチョロは強めにやり返してしまって、がんものしっぽはスカスカ。
結果的に喧嘩発端ではないので、我が家では取り付けタイプのおもちゃをあげて気を逸らすことで解決しました。
ストレスや不仲によってしっぽが傷ついているようであれば、もっと堅めの対策をする必要があったと思います。
なぜ齧られているかが重要「あそび」?「敵意」?
多頭飼いの尻尾かじりの場合、多くがルームメイトによるもので「イタズラ」「あそび」「敵意」など、理由はさまざまあります。
イタズラやあそびであれば、他に気を逸らすことができるアイテムを与えれば解決することが多いようです。
我が家以外でもおもちゃ投入で解消したパターンはいくつかあります。
しかし、相手に敵意を持っていたり、静かな喧嘩で尻尾を齧っているパターンもあり得ます。
「相手の尻尾を齧ってやる……」というレベルで不仲な場合、いつか大喧嘩に発展してデグーが怪我をしてしまうことに繋がりますから、「喧嘩による尻尾かじり」の場合は速やかにケージを別にしてあげることをお勧めします。
▷デグーの多頭飼いの注意点解説!スムーズな方法とデグーの相性について
デグーの尻尾がかじられたら病院に行くべき?
デグーの尻尾の怪我は、化膿と出血量に十分注意して自宅で様子を見ることができます。
出血が多いとデグーの命に関わりますし、化膿もデグーの体力を奪います。
大量出血、化膿が見られる場合は速やかに動物病院に連れて行ってあげた方が良いでしょう。
実は齧られたしっぽ自体は健康に大きな害があるものではありません。もし化膿してしまった場合は病院で切断する事もありますが、基本的には切れたくらいでは問題ないのがデグーの尻尾です。
自然下では敵に捕まったときに逃げ切れるように、尻尾をあえて取れやすくしている生き物がいますが、デグーもその類です。
案外脆いのですね。ただ、化膿と出血にだけは要注意です。
▷デグーの尻尾が切れちゃった!病院行くべき?尾切れ・怪我の緊急対処について
ストレスによる自傷しっぽ齧りの場合も
我が家に「自分の尻尾を気にするタイプ」のデグーは1匹しかいません。
たまに自分の尻尾を追いかけたり、ジャンプするときに自分のしっぽを咥えて、「しっぽを連れて行こうとする」デグーがいます。
デグーはストレスが原因で、手の甲の毛や肉球を噛む“自傷行為” をすることが知られています。
尻尾も自傷行為の対象になる場合があり、飼い主さんが「多頭飼いの尻尾かじりかな……」と思っていたら、隠れて自分の尻尾の毛を毟っていた……なんて切ないエピソードも聞いたことがあります。
デグーは多頭飼い・単頭飼いのいずれの場合もストレスを抱える可能性があります。
もし自傷でしっぽ齧りをしている場合、早めに原因を特定してストレスのない環境に整えてあげましょう。
▷デグーにとって“ストレスの原因”とは?飼育環境からストレスフリーを目指そう
多頭飼いでデグーの尻尾が齧られていた時の対策
デグーの尻尾かじりって、一度で終わるものではないですよね。
「ああ、またやってる……」「今回は大丈夫かな」と気にしながら過ごさなければいけないのは、飼い主さんにとってもしんどいことです。
ここからは、「しっぽ齧りをやめさせたい!」という飼い主さんに向けて、しっぽ齧り対策について紹介していきます。
我が家では、言い聞かせとおもちゃ投入でかなり落ち着きました。これがもし敵意を持ったアウトレイジ状態であれば、ケージを別々にしたと思いますね……。
その場でおもちゃやおやつはNG!ご褒美だと勘違いすることも
デグーの尻尾齧りでは、いかにデグーの気をしっぽから逸らすかが大切です。
しかし、デグーが尻尾を齧るたびにおやつで気を逸らしてしまうとどうでしょう。「あれっ、こいつの尻尾かじるとなんかおやつ貰えるな!」。
デグーは頭がいいので、こんなふうにしっぽ齧りとおやつを紐づけてしまいます。
しっぽ齧りを見つけたら、その場でおやつやおもちゃを与えるのはあまりお勧めできる方法ではないのです……!
取り付けタイプのおもちゃでデグーを忙しくさせる
デグーがご褒美だと勘違いしないおもちゃが「取り付け式」のもの。
「貰った」じゃなくて「最初からある」おもちゃです。
ケージにつけるタイプのかじり木や、鳥用のボールのおもちゃなど、デグーの誤飲に繋がらないものを慎重に選んで取り付けてみましょう。
特に仲が悪いわけでもないデグーの尻尾を齧るのは、そのデグーがは暇だからかもしれません。
尻尾齧ってる場合じゃあない、ということを分からせてやりましょう。
おとなしいデグーなら言い聞かせでやめてくれることも
ケージかじりなんかでもそうなのですが、デグーを大きな声で叱ってしまうことってありませんか?
特に2歳くらいまでのデグーはやんちゃで聞かん坊の子が多いですから、つい大きめの声を出してしまう事もあるかもしれません。
筆者も始祖デグーのあまりの傍若無人ぶりに毎日叱りパーティーだったのですが、「目を見て小さい声で伝えた方が言う事聞くな」と気が付いてから、言い聞かせる方向にシフトしました。
しっぽ齧りの場合も、最中に近寄って目をガン見しながら「やめて」と諭すとやめてくれることがあります。
我が家ではこの方法、大人しめのデグーにはほぼ有効です。是非試してみてください!
▷デグーのケージかじり対策!うるさいだけじゃなく歯に悪いから本気でやめさせよう
齧られデグーが嫌がっている場合は別ケージに分けよう
たとえ大喧嘩に発展しなくても、ケージを分けた方がいいケースがあると思います。
それは「かじられている側がめちゃくちゃ嫌がっているとき」です。
齧る方に敵意がなくて戯れているだけだったとしても、やられている方が悲痛な叫びをあげていたり逃げ回っているようであればケージを別にしてあげましょう。
長期的なストレスはデグーの健康寿命に関わります。
自分の立場で考えても、いやですよね。自由に出入りできない部屋に一緒に住んでいるおじさんが、ニコニコしながら足の小指を齧ってきたら……。
多分わたしだったら早めに憔悴して死んでしまうんじゃないかな。
おじさん的には「悪気はない」とか、そんなもん知ったことではないですよね。
デグーの尻尾は千差万別!デグーの尻尾ギャラリー
さて、最後に「デグーの尻尾って意外と色々だよ」ということをお伝えするべく、我が家のしっぽギャラリーを紹介していきたいと思います……!
綺麗な尻尾しているのは5匹中2匹、みんなそれぞれ尻尾にヒストリーを持っていますが、超元気に暮らしています。
謎の折れからの謎のイボ
今年7歳になる始祖デグーは、2歳くらいの時にしっぽが折れているのを見つけました。
先っぽがプランプランって感じで、触っても全然痛くなさそう。
化膿も出血もなく、ただプランプランしていたので「つっく、しっぽ折れてるじゃん!w」みたいな感じで過ごしていました。
数年かけて節みたいなものができて、今ではなんかイボみたいになりました。脱毛もないし、超元気。
初めから切れてた尻尾
「ももちゃんの尻尾って切れてない?」
生後半年の彼女をペットショップからお迎えして数ヶ月して気が付いたのですが、よくみたらブツンって尻尾が途中で終わっているんですね。
尻尾が短いデグーなのね、って思っていたのですが、途中で切れているデグーでした。
赤ちゃんの時とかに切れちゃったのかな。ちなみに彼女は手の指も1本ありません。
「ももちゃん指1個なくない?」どんな幼児期だったんだろう……。
毎日優しく引っ張られてツヤツヤの尻尾
兄のがんもに尻尾を引っ張られるのが嫌で、倍返ししていたチョロ。
どんな尻尾の状態になっているかと思いきや、誰よりもツヤツヤのめちゃ良いしっぽなのです。
毛もふさふさで、一切の欠けがない……。
今では「がんもブラッシング説」が有力で、がんもは弟の尻尾を毛繕いしていたのでは……と。
この写真でも兄の視線の先には弟の尻尾が。チョロの尻尾のコンディションを気にしていますねw