デグーに健康に過ごしてもらうためには、ストレスがかからないようにしてあげることがとても大切です。
デグーは齧歯類にしてはかなり賢く、社会性の高い動物ですから、些細なことでストレスをためてしまうことがあります。
今回は、デグーのストレスの原因とは具体的にどんなことなのか、そして彼らのストレスを緩和させる方法について書いていきたいと思います!
デグーにとってのストレスとは?
“小動物にストレスを与えてはいけない”というのは、どんな飼育書にも書かれている周知の事実ですが、具体的にデグーにとってどんな状況がストレスなのでしょうか。少し考えてみました。
- 外に出たいのに出られない
- ケージが汚い
- ご飯が楽しくない
- ケージの気候、景観が良くない
家が汚いとか、ご飯が美味しくないとか、人間でも当たり前にストレスになり得ることですから共感できますね。
また、デグーは優れた聴覚を持っています。人間には特に気にならない音や聞き取れない音も敏感に感じ取り、ストレスに感じることもあるようです。
デグーの繊細さは侮れない!偏食や外出、ケージの置き場がストレスに
具体的には、脂質や糖の多い餌をたくさんあげすぎたり(偏食になり、常におやつがないことがストレスに)、ケージを暗い場所や閉塞感のある場所に置いてしまったり(デグーはかなり目が見えているので、視覚的な不安も感じ取ります)。
また、懐いたからといって外に連れていきすぎるのも、あまりお勧めできません。
先述した通り、デグーはかなり耳が良く人間には聞き取れない高音を聞き取っては「警戒鳴き」することがあります。
目もよく見えていますから、状況の目まぐるしい変化を一生懸命把握しようと頑張ります。
いくら頭が良くても「これからどこに行って何をするために外出するのか」デグーに説明することはできません。「怖い、なんだろうなんだろう」と思いながら、お外に行かなければならない機会が多いのは、デグーにとってストレスの原因になります。
お外に行かなければいけない理由までは理解できないけど、お外がいつもと違って怖いということは感じられる微妙な賢さなのですよね。
デグーにストレスがかかるとどうなる?
群れで生活する性質のためか、大半のデグーは色々と限界まで我慢します。
何か嫌なことがあっても、すぐに訴えたり、攻撃してくるデグーはあまりいません(たまにブチ切れてくるデグーはいますが)。
デグーは騒音、ルームメイトとの不和などを、「本当は嫌だけどいったん我慢する」という共通の感覚を持っているようです。
ストレスがかかったデグーがすぐに周囲を攻撃することは稀です。
多くの場合、食欲が減退したり、自分の尻尾や肉球、手の甲の毛を毟ったりの自傷行為が始まります。
こうしたデグーのストレス行動に飼い主が気づいた頃、すでにストレスフル……ということもあり得ます。
日頃から注意深く観察して、ストレスを取り去ってあげる必要があります。
寂しがるデグーに飼い主ができること
単頭飼いでの寂しがりは、デグーがわかりやすく寂しそうに鳴きますからすぐに気がつくと思います。
我が家も単頭飼いのデグーの寂しがりの圧に負けて、お嫁デグーを迎えるに至りましたから……。
寂しがりがストレスになっていそうなデグーには、まず飼い主さんが群れの一員になる努力をしてあげるのがオススメ。
添い寝ならぬ“添い手”、食べるものは違えどご飯は人と同じタイミングで食べる、言葉は違えど積極的に目を見て話しかける。この3つは単頭飼いで寂しがっているデグーにまずしてあげたいケアです。
これが “添い手”だ!デグーはお尻など体の一部を仲間とくっつけあって休みます。落ち着くようです。
単頭飼いデグーは、飼い主と群れなのです!それをデグーに気付いてもらいましょう。
▷デグーをベタ慣れにしたい飼い主さんに捧ぐ!デグーとマブダチになる方法
デグーのストレスフリーのためにできること
ここから語っていきたいのが、デグーのストレス要因を取り除く具体的な方法についてです。
我が家の先住デグーは、とてつもなく微細なストレスでも機嫌が悪くなるタイプです。
ストレスがたまると、自分の肉球を噛んで出血させたり(手の甲の毛を毟るデグーもいます)、食欲が減退したり、健康に関わる事態になるのでこちらも必死。
どうしたらデグーのストレスが緩和されて、彼の機嫌が良くなるのかを試行錯誤し続けた結果をまとめていきます。
どなたかのお役に立てれば幸い……!
部屋んぽの時間帯を決める
デグーによっては、ものすごく部屋んぽしたがる子がいます。
ケージを延々噛んでみたり、落ち着きなく騒いだり……。つい叱りがちになる、というお悩みも多いようですが、そこでオススメなのが「部屋んぽの時間を決めること」。
▷デグーのケージかじり対策!うるさいだけじゃなく歯に悪いから本気でやめさせよう
「毎日この時間に部屋んぽできる!」という希望を与えることで「とにかく今出たい!」という癇癪がおさまることがあります。
デグー本人が部屋んぽの時間の規則性に気がつくまで少し期間が必要ですが、根気よくやってみる価値は十分あります。
▷デグーは部屋んぽさせるべき?手作りサークルと保護シートでトラブル解決!
また、ケージが狭すぎて出たがっているという可能性もありますから、デグーのサイズや運動量を考慮してケージの大きさを見直してあげるのもいいかもしれません。
我が家は単頭も2匹飼いも全員これ
ケージ内はいつも程よく清潔に
我が家のケージ掃除は基本週1。ガッツリ掃除は週に一度行い、あとは汚れが目立つところを都度拭いてあげる感じです。
もっと綺麗にされているおうちもたくさんあるので、我が家はかなりズボラな部類だと思います。
▷デグー臭の傾向と対策!ズボラ飼い主の厳選消臭アイテム3つ紹介します
それでも一応気をつけているのが「常にある程度清潔であるように、バランスよく」。
週1の掃除といえど、マックスまで汚してからごっそり片付ける!だと、環境が大きく変わりすぎてデグーにとってはストレスになるのではと思っています。
人間だったら急にスッキリしたほうが気持ちがいいかもしれませんけどね。
筆者は、極限に汚い部屋を綺麗にするのが好きですw
毎日ピッカピカ!というわけではなく、ケージの清潔感に派手な落差がないように、環境を変えすぎないように、いつもそこそこベターな状態をキープしてあげるように心がけています。
▷デグーのケージ掃除おすすめアイテム!ながらでOKの効率良い手順は?デグーまみれの掃除大会!
ごはんのバリエーションを増やしてみる
デグーは食べることと生きることをバチバチに紐づけています。彼らの生きがいは“食”だと言えるでしょう。
デグーはチモシーと水があれば生存はできますが、グルメです。
だから、毎日同じごはんだと飽きてしまいます。ごはんに飽きると運動量が減り、顔に覇気がなくなってきます。「飯がつまらんから、腹をすかす必要がない」みたいな表情。
ペレットは1種類ばかり与えずに、常に2〜3種類持っておきローテーションであげるのがオススメ。
「おっ、昼はこれか」「夜はなにかな」みたいな、ワクワクを与えてあげましょう。これ、ふざけてないですよ。
あと、ペレットをあげるときに手で触りすぎないように注意。
ペレットが人の手の匂いになってしまうとデグーは激萎えします。
ひとまず香りでいけるか判断する傾向がありますから、ペレットを半分に割って切り口を鼻に向けてあげたり、ペレットを数十秒レンチンして香りを復活させてあげるのも食事を楽しんでもらうテです。
▷デグーに喝!“食べないペレット”捨てる前に試しておきたいテクニック集
ケージの気候は大丈夫?景色は良い?
デグーのケージの温度管理はデグ飼いさんが最も慎重に管理しているポイントだと思います。
適温はデグーの状態や好みによるので、本人の顔色を伺いながら一緒に最適温を見つけてあげる必要があります。
夏と冬の気温が極端な時期はもちろん、換毛が進んでいる季節の変わり目にはデグーの温度ケアを特に気をつける必要があります。
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▷デグーの低体温症の原因・症状とは?冬以外にも注意したいケージの温度管理
さらに、デグーのケージから見る景観について。デグーって以外と目が見えています。
部屋んぽ中いたずらをしていたデグーが「ハッ」とこちらの視線に気がつき慌てていたずらをやめたりすることありませんか?
人と目が合って「やべっ、見られてた」って判断できるくらい、結構視覚に頼っていることがわかります。
ケージの周囲が昼夜問わず暗かったり、壁に囲まれた閉鎖的な場所にケージがあるとデグーは鬱っぽくなることがあります。
特に、デグーを日に当ててビタミンDを体内に生成してあげるのはとても大切。
日光不足はデグーの歯のオレンジ色(健康の証)にも影響します。ケージ内は日光から避けられる影を作りつつ、適度に日向ぼっこできるようにしてあげます。デグーの心と歯の健康を守りましょう。
デグーのストレス解消アイテムを上手に使おう
おうちのデグー、ケージの中で暇そうにしている時はありませんか?
デグーは一生歯が伸び続ける齧歯類ですから、齧り系のおもちゃをケージに入れてあげることでハマって遊んでくれることがあります。
我が家では、この辺りのかじりおもちゃをケージにポンしていることが多いです。
他にもケージ内にトンネルを作ってあげると、隠れたりくぐったりして遊んでくれます。
デグーは野生下では巣穴を掘って暮らす動物ですから「良さげなトンネル」にときめくようです。
ケージに楽しいアイテムを入れてあげることで遊んでいるうちにゾーンに入って、ストレス解消に繋がってくれればいいですよね。