デグーの体調不良の原因や、悲しい突然死の原因でもよく聞く“低体温症”。
デグーのケージ周辺の温度管理はとても大切な飼い主のお仕事です。
本記事では、デグーの低体温症の症状や原因、デグーにとって適切な部屋温度についてまとめていきます。
デグーと暮らして7年の筆者、「デグーによって快適な気温は変わるのでは」と感じ始めているのです。
デグーの低体温症は“1年中 注意”
デグーの体温は平均して39℃くらい。人間よりも高めですね。
健康なデグーであれば、少しの時間寒くてもすぐに低体温症になってしまうことはありません。「さみ〜」みたいな顔で、ホカぺの上で丸まっている姿を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
ただ、ちょっとしたことが原因でデグーが体温を維持できなくなり、飼い主も気がつかないうちに低体温症に……という例がいくつもあります。
特に1歳未満の毛が薄いデグー、体力が落ち始めた高齢のデグー、疾患があり弱っているデグーは、気温の変化に敏感です。
デグーの低体温症はこんな症状
そもそもデグーが低体温症になった状態を見たことがある方は少ないと思います。
いざというときに「もしかしてこれが…?」と、判断に困らないように、デグーの低体温症の主な症状についてお伝えしていきます。
よく見かける、毛がモコっとなって丸くなっている状態。これはシンプルに寒がっている状態で、室温を上げたりケージ内の暖房を強めてあげるとこで解消される場合がほとんどです。
あと、眠い時にも毛がモコっとなるデグーもいるので、紛らわしいこともあります。
一方、低体温症になったデグーは、体力が失われぐったりとします。さらに歩くのが極端に遅くなるのも特徴です。
気がついた時にこの状態、というときはあまり急激には暖めない方がいいと言われています。焦る気持ちがしますが、激しい温度差はデグーの刺激になってしまうことがあるようです。
慣れているデグーであれば人間の手で少しずつ暖めて、動物病院に連絡を取り指示を仰ぎましょう。
デグーの温度管理は3つの場所をチェック
後ほど詳しく書いていきますが、デグーの温度感覚についてここでもちょっと考えてみたいと思います。
“デグーの温度管理”とは、具体的に「室内」「ケージ内」「デグーの寝るスペース内」の3段階の温度管理のことです。
エアコンで室温を保っていても、ケージの置き場所がよくなかったり。ケージをほどよく日が入るいいポジションに置いても、デグーの寝るスペースが冷たかったり。
ひとつの対策で「万全!」とは思わずに、デグーの様子を観察しながら最適な環境を探します。
彼らは小さいですから、体力が落ちていると冷えるのはあっという間。人間の体感気温よりも、デグーは少しだけ低く感じているという感覚で気を配ってあげるのがおすすめです。
デグーが低体温症になる原因
デグーの低体温症は冬だけ気をつければいいものではありません。
ここからは、気温の変動以外で「デグーが低体温症になってしまう原因」、考えられるものをピックアップしていきます。
部屋の温度が低い
デグーの飼育書などを読むと、デグーに最適な室温は20℃〜とされているのを見かけます。
個人的には「20℃キープは寒くない?」と思います。
最近では25℃を目安に夏は冷房、冬は暖房で調整してあげているおうちが多いように見受けられますね。
室内の暖かい空気は天井に滞留し、冷たい空気は下に流れる性質があります。
冷房をしばらくつけていると足元から冷えていくのを感じることがあります。人の顔付近はまだ暑く感じても、案外部屋の下の方はしっかり冷えているかもしれません。
ケージが床に近い高さに置かれている場合、人間にクーラーを合わせてしまうとデグーにとっては寒いかも。
おうちのケージの置き場所と、空調の温度がマッチしているかどうか、デグー本人が寒そうに布にくるまっていないか、毎日の気温に合わせてこまめにチェックしてあげましょう。
ケージ内に暖かポイントがない
寒い冬はもちろんのこと、夏場でもケージ内に「ちょっと暖まれる場所」を作るレイアウトを心がけましょう。
ケージ周りの室温を常に最高の状態に保つのは、現実的ではありません。
ケージの中に温度差ができるようにして、デグー本人が好きな温度の場所を選べるようにしてあげるのがお勧めです。
我が家では、ちょっと寒い時にはデグーはホカぺの上に自発的に移動して、やや暑い時には風通しのいい場所に移動したり砂浴びの瓶の中で「ひんやり…」みたいな顔で寝ています。
ケージ内に部分的に暖かい場所と涼しい場所を作ることで、デグーに逃げ場を与えてあげましょう。これ結構大切だと思います。
デグーに体力がない
多頭飼いしていて、他のデグーは平気なのになぜか特定のデグーだけが低体温症になってしまうこともあります。
食欲不振や病気で体力が落ちていたり、慢性的なストレスに晒されていたりするデグーは、温度変化に敏感になり、体温調節もうまくできなくなっていることがあるようなのです。
高齢デグーや子供のデグーも体温調節が苦手です。
病院で「血行不良やホルモンバランスの乱れが原因で低体温症を起こした」と診断された飼い主さんもいるそうで、もうここまでくると、婦人科かと。見てわかるかい、という感じですよね。
ここまでくると状態を見分けるのはかなり難しいと思います。
そこで対策できるのは、やっぱりケージ内の温度差を作ってあげることでしょう。
人間が見てもわからないから、なるべくデグーに自力で心地よい場所に移動してもらえるように……。
換毛期などで毛が薄い
成体デグーは年2回ほど換毛します。季節の変わり目には、季節にあったタイプの毛に生え変わるんですね。
換毛期の最中は、古い毛が一旦抜けるので毛がまばらな状態になって、寒さを感じやすくなります。また、換毛期は全身の毛を新しくするので、普段以上の体力を使います。
さらに、高齢デグーの換毛ですが、ごそっと抜ける割に生えるのが遅い印象。お尻のあたりなどが部分的に薄くなっていることもあって、冷えやすそうに見えます。体調を崩しやすいタイミングかも。
生後すぐ〜1年未満の子供デグーは、子どもの毛が生えています。
成体デグーに比べると柔らかくて薄くてふわふわした毛で、防寒力があまり高くありません。毛が薄い子だと、耳の後ろや脇の下など、地肌が見えるほどスケスケなことも。
換毛中などで毛が薄いデグーにとって、体温調節は至難の業かもしれません。
いつも以上に気をつけて管理してあげましょう。
デグーは気温何度がいいの?「デグーによる!」
「冬だけじゃなく夏も寒い寒いっていうけど、熱中症だって怖い」。ですよね。
飼育書に室温の目安がドン、と書いてあっても、ちょっとひんやり23℃くらいが好きなデグーがいれば、27℃くらいじゃないと寒がるデグーもいたりします。
換毛や月齢などの状態はもちろん、個人の好みも違いがあるようなのです。
この温度が正解!という最適解は実は存在せず、おうちのデグーの特徴や好み、ケージの環境などを考慮して、さらにその日の外気温のことも考えて……。
こんなふうに、毎日設定を見直してあげるのが本当は一番だと思います。
DEGUBESEの部屋環境1年表
デグーの温度管理、どうすればいいの?という疑問に対して「デグーによる」ではあまりに収穫がないですよね……!
ということで、我が家のデグーがいるリビングの温度管理を1年表にまとめてみました。
まず、我が家のデグー状況はこんな感じの計5匹。
7歳のオス、単頭飼い
3歳と2歳のメス、多頭飼い
2歳と1歳半のオス、多頭飼い
高齢のオスと、出産経験が2回ある3歳のメスを労りつつ、他の若いデグーたちが弱く育たないように、ある程度は温度の変化を感じさせるようにしています。
(DEGUBASEは東京にあります!)
時間帯 | 春(3〜5月) | 夏(6〜9月) | 秋(10〜11月) | 冬(12〜2月) |
---|---|---|---|---|
深夜〜明け方 | ケージをブランケットで包む ホカペをオン | 暑い夜は除湿28℃ 〜4時間くらいのタイマー運転 | ブランケットでケージを包む ホカペをオン | ケージをブランケットとプラ段で包む ホカペをオン ひよこ暖房をケージに装着してオン |
午前中〜日中 | 肌寒い日はホカペをオン | 除湿28℃か冷房28℃ ホカペをオフ (取り外さない) | ホカペを常にオン | 暖房25℃前後 ホカペを常にオン ひよこ暖房をケージに装着してオン |
夕方〜寝るまで | 日中と同じ | 涼しい日は窓を開けておく | 日中と同じ | 日中と同じ |
もちろんその日の気候によって対応は変わりますが、大体はこんな感じ。空調を使わなくて良さそうな日は、結構窓を空けてデグーを風になびかせていますw
ホカペ、とかひよこ電球とかプラ段などの詳細は下に貼っておきます。
冬の暖房時事情についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでよければご覧ください。
▷デグー飼うのに電気代が気になる方。DEGUBASEの暖房代対策をご紹介します!
こちらの記事の後半でも、デグーの防寒アイテムについて書いていますので、よければ参考にしてください。
▷【決定版】デグーの飼育に必要なものまとめ|デグー初心者に捧ぐ!
また、冬場の防寒対策でケージカバーを毎年手作りしています。作り方はこちらにまとめています。
▷寒い冬を乗り切る“デグーのケージカバー”を作ろう!保温電球の熱効率がアップ
保温電球(40〜60w が頼りになっておすすめ)
設定した温度に自動的に保ってくれる必需品
ダイソーの洗顔用ヘアバンドで包んで年中ベッドに
1年表はあくまで我が家の一例です。年によって夏の暑さ、冬の寒さは変わりますから毎日様子見。
飼育温度は固定せずデグーの顔色を常に伺って、こまめに調整してあげたいところです。