「デグーの体は糖分を分解しづらい」「デグーは糖尿病になりやすい」
この情報、デグ飼いさんは一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
市販されているデグー用のペレットのほとんどには甘味をつける糖分が添加されていることに不安を感じつ方もいるかもしれません。
しかし、ペレットの甘味料はデグーの食いつきを良くしたり、腸内環境を整える良い効果を持っていることもあります。
本記事では、デグーペレットに含まれている糖分の種類を調査!それぞれどんな甘味料なのか?を解説していきます!
デグーに糖分をあげすぎてはいけない理由
つい最近まで「デグーは糖分を“分解”することができない」と言われていました。血糖値が上がりやすく、糖尿病になる確率が高いというのが通説でしたね。
デグーは完全草食。
自然界では群れで行動する彼らは、ぶどうのなる木を見つけると、みんなして甘いぶどうに食いつき、1年くらいで寿命が尽きてしまうのだとか。せつな可愛い。
国内での研究「結構普通に分解できてるかも」
デグーの血糖値の変化については国内の論文でも書かれているのを見かけたのですが、最近では「糖分、分解できてるんじゃないか」と言われ始めてるみたいですね。
糖を摂取したデグーの血糖値は上がりますが、やや長い時間をかけて正常値まで下がる動きが確認できたそうで「これって分解できてるよね」と。
分解できないではなくて、分解が遅くて苦手、という理解でいいのかなと思います。
デグーには糖は糖でも良質な糖を
糖分を栄養として活用する機能がデグーにあるかも、と考えられるようになってきました。
でも、デグーってあんまり運動していないですよね……!我が家もね、回し車って言ってもたかが知れているんですよ。
子供の時は、一生懸命走っていたかも知れませんが、今となっては慣れてきたのか、回していても足首くらいしか動いていません。
しかも、寒くなったらホカペがついて、暑くなったらクーラーが入るんですよ。外敵から身を守りながら巣穴で暮らす野生のデグーに比べれば、とんでもなく省エネな生き物。
糖分なんてさしていらんですよ……!
野生下ほど運動しない、小さな体。糖分は控えめに、しかも「質」はこだわりたいのが飼い主心ですね。
デグーペレットに糖分が含まれている理由
デグーは糖の代謝が苦手だと言われながら、ほとんどのデグーペレットには甘味料が添加されています。
なぜか?まず第一に、美味しいからです……!
甘いと美味しいですよね?「嗜好性を高めて食いつきをよくするため」に添加されています。
デグーってグルメですから、「ウマくないな」と思ったものは徹底的に拒否することもあります。ゴマすり甘味料ですね。
さらに、整腸効果のある糖が添加されていることも多いです。
デグーの健康トラブルに多いのが消化器系の不調。うんちの不安や、命に関わる腸詰まりを予防するためにもペレットを補助食にして、糖質と繊維質のバランスを保ってあげましょう。
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デグペレに含まれる糖分の種類を知ろう!
次に「市販のデグーペレットに添加されている糖の種類」について解説していきます!
ここでは4種類の甘味料について紹介します……!
フラクトオリゴ糖
「オリゴ糖」はよくデグーペレットに含まれていますが、オリゴ糖にも種類があります。
「フラクトオリゴ糖」は難消化性で、血糖値にもほぼ影響がありません。
糖の代謝が苦手なデグーにとって「害の少ない甘味料」と言えるでしょう。
フラクトオリゴ糖が入っているデグーペレット
マンナンオリゴ糖
「マンナンオリゴ糖」もよくデグーペレットに含まれています。
これは、「食物繊維」の役割で添加されているようです。マンナンオリゴ糖は、生きて腸まで届いたあと「腸内で仕事をする」のです……!
マンナンオリゴ糖は、腸に住む病原菌を吸着して便として排泄させる効果があることが知られています。
腸内環境を整えることで自然と善玉菌も増やしてくれる「超いいヤツ」です。
デグーも歳を取ってくると、腸内の善玉菌の数が減ってきます。
腸の機能が衰えることでお腹のトラブルが起きやすくなってくるのですが、マンナンオリゴ糖を日々ゆる〜く摂取しておくと、健康維持に効果的なのです!すごーい!
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マンナンオリゴ糖が入っているデグーペレット
ソーマチン
一時期バラエティ番組の罰ゲームで使われたりしていた「ソーマチン」。アフリカ原産の赤い果物が材料です。
ソーマチンは、砂糖の約2000倍の甘さを感じる「世界一 甘い甘味料」。
「そんなもんデグペレに入れんなや!」と言いたくなるところですが、この甘味タンパク質(炭水化物じゃなくて、タンパク質なんですよ)は、ゆっくり甘味を感じるという特徴があります。
なので、ちょっとの量でもずーっと甘い。
甘味を感じるレベルまで糖をザクザク入れるより、ちょっとのソーマチンの方が成分的にはいいじゃんか。という意図ですね。賢い!
ソーマチンが入っているデグーペレット
ステビア抽出物
ステビア抽出物の原料はタピオカ。ソーマチンの主成分はタンパク質でしたが、ステビア抽出物は「炭水化物」に分類されます。
「タピオカってイモ?」「芋、平気なの?」ステビア抽出物の安全性については、今でも研究や議論が重なられているのだそうで、動物実験で妊娠率が下がったという結果も認められています。海外では、禁止されている国もあるのだそう。
うーん、なんか不安。
さらにタピオカはキク科の花を咲かせることから「アレルギーのある個体は要注意」と言われることもあります。菊って多くのペットが中毒を起こす植物ですからね。
しかし中には「血糖値の上昇を抑える」とか「血圧を下げる」といった研究報告もあります。
ステビア抽出物については、これからどんなことがわかるのかウォッチしていきたいな、というのが筆者的な見解。
ステビア抽出物が入っているデグーペレット
比較してみると、やっぱりオリゴ糖を採用しているペレットが安心できる気がします。
個人的にはどれをチョイスするかよりも、同じものばかりに偏らず、適量に……というバランスが大切だと思います。
皆さんはどう思われましたか?
ペレットが豊富になるにつれ成分も多様に!
成分表に「甘味料(〜〜)」として記載されている他にも、色々なものが入っているデグー用のペレット。
ステビア抽出物も、「タピオカデンプン」と書いてあったりするので、ぱっと見「糖」と結びつかないこともあるかもしれません。
あと、「ビール酵母入りペレット」「グァバ葉粉末入りペレット」など「んん?デグーに必要……なのか?」みたいに判断しづらいペレットもありますよね。
あまり血眼にならずに、楽しくご飯タイムをさせてあげるのが一番かと思いますが、頻繁にあげるペレットの定期的な成分チェックをしてあげるのがオススメです。
デグーに感謝されることはないかもしれませんが、本人だって少しでも長く元気に暮らしたいはずですもんね……!