皆さんのおうちのデグーはおしゃべりしますか?
デグーと暮らしていると「え、今なんて言った?」と聞き返したくなるくらい、言葉のような抑揚の鳴き声をよく聞くようになります。
本記事では、デグーの鳴き声のバリエーションとその意味を飼育書から抜粋、さらにデグーが鳴いた時の我が家での対応方法について書いてみたいと思います!
デグーは鳴き声でコミュニケーションをとっている
「デグーは社会性の高い動物である」ということは、デグ飼いさんの間では広く知られています。
自然界のデグーは群れで行動し、仲間同士では鳴き声の種類を聞き分けてコミュニケーションをとっているのです。デグ語で会話しているということですよねえ、かわいい!
群れの鳴き声の中には、親が子に呼びかける声、異性同士の求愛、警戒を知らせる声など多くの種類があり、そのパターンは大きく分けても15種類以上は存在すると言われています。
デグーの五感の中でも一番優れているのは聴覚です。多頭飼いされている場合、もしかしたら飼い主の私たちには聞こえない秘密の会話も行われているかもしれませんね。
あまり鳴かないデグーもいる
「え、うちのデグー全然鳴かないよ……?」という飼い主さんも中にはいるかと思います。
単頭飼いの場合や、お迎えして間もない段階ではデグーが無口な場合もあります。
鳴かないから元気がないとか、どこかに異常があるということにはなりませんので安心して大丈夫。
我が家でも初めて迎えたデグーは、初日の激しい警戒鳴きがおさまってからというものピッタリと声を発するのをやめてしまいました。その後半年くらいして、だいぶ懐き始めてから何か意味ありげに鳴いてくれるようになりました。
こちらから話しかける声に反応してくれるようになった、という感じかも。
デグーにとって言葉=鳴き声であれば「特に話したい相手がいない」場合、あまり鳴かないのかな……と、振り返ってみると思います。
飼い主が群れの仲間に相応しいかどうか、見定められていたということでしょうかw
今では筆者の顔を見れば必ず鳴き声を出してくれるようになりました。
近所の挨拶好きのおじさんみたいな距離感で、目が合うと「チー?」みたいな感じで向こうから話しかけてくれます。
▷デグーをベタ慣れにしたい飼い主さんに捧ぐ!デグーとマブダチになる方法
鳴き止まないデグーはおしゃべり?それとも…
無口なデグーと対象的に、理由はわからないけれど頻繁に鳴くデグーもいます。
単純におしゃべりなデグーということであればひたすらに可愛いのみ。ところが、ストレス・警戒のために鳴いている場合もあります。またはどこか体の不調が辛くて鳴いているかもしれません。
また、デグーは高い音に反応しやすいので、人間にはさほど気にならない高音がデグーにとってのストレスになっていることもありえます。
自転車のベルや家電の音など、特定の高音にびっくりしてしまうことも。
鳴き声の理由が掴めなかったり頻繁に鳴き止まない場合は、一度環境をチェックして原因を突き止めてあげるのがベストです。
デグーの感情別・鳴き声リスト
デグーの鳴き声は奥が深く、海外でもその研究が進められているのだそう。
以前「特定の言語があるのではないか」という論文を見つけたことがあったのですが、ときめきました……!
ここからはデグーの喜怒哀楽、感情によって発する鳴き声を紹介していきたいと思います。「うちのデグー、なんて言っているんだろう」と気になっているデグ飼いさん、ぜひ参考にしてみてくださいませ。
参考文献『デグー完全飼育:飼い方の基本からコミュニケーションまでわかる』
デグー「警戒!」
「キー!」とか「ピー!」みたいな叫び声。これは基本、びっくりした時の鳴き声です。
あとはケージ内で遊んでいて、ちょっと挟まっちゃったとか、車の音にびっくりしたとか。人で言えば「わあー!」みたいなイメージ。
ちょっと痛かった時もよくこの声で鳴いています。
びっくり鳴きのあと「キッキッ…」という連続鳴きがしばらく続くこともあります。
びっくり鳴きせずに、唐突に連続鳴きが始まることも。この「キッキッ…」は警戒している時の鳴き声で、人で言えば「ヤバイヤバイヤバイ!」みたいなイメージだと思います。
発情期に警戒鳴きをすることもあります。オスの場合「メスに近づくな!」という感じの意味らしいのですが、メスと一緒に飼っていない単頭飼いのオスも発情期の警戒鳴きをするんですよね。
そんなときは「いやアンタ彼女おらんやん」と宥めつつ、そっとしておいてあげましょう。
デグー「嬉しい、楽しい!」
「ピロピロピロ♪」という聞くからに機嫌の良さそうな声は、嬉しい・楽しい時の鳴き声です。
「プププ」とか「ピヨピヨ」とか、デグーによって声が違うことがありますが、語尾に音符がついていれば基本的にご機嫌。
人で言えば「あはははは」みたいな笑い声のイメージ。
まわし車でノってきた時、おやつがウマすぎるとき、空腹時に差し出されたペレット、飼い主が帰ってきた、いい感じの寝床、待ちかねた部屋んぽ……。デグーが幸せを感じる瞬間はたくさんあるようです。
懐いているデグーの場合、撫でてもらいながらこの鳴き声を出すこともあります。
あー可愛い。ずっとピロピロしていてほしい。
デグー「抗議!」
「プー!」「チー!」みたいな鳴き声、明らかに抗議のように聞こえる鳴き方はやっぱり抗議です。
抗議の鳴き声にはかなりのバリエーションがあり「チー↑ウー↓!」とか「チチー↑!!」など、どの程度ムカついているかを明確に伝えてくれることが多いです。
「ヂー!!」みたいに濁音混じりの場合、筆者の経験上ガチ切れです。
迂闊に手を出して噛まれないように気をつけてくださいね……!
おやつを邪魔された時、尻尾を噛まれた時、尻尾を噛ませてもらえない時、寝る邪魔をされた時、飼い主が出した手を“おやつを奪う手”だと勘違いした時など「あなたのやってることおかしいですよ!」「いい加減にしてくださいよ!」みたいに抗議してきます。
気の長い優しい子は我慢のギリギリまで抗議しなかったり、短気な子はすれ違っただけで抗議してきたり(チンピラw)、頻度にかなり個体差が出るのが抗議の鳴き声。
滅多に怒らないデグーっているんですよね。
デグー「怒りに打ち震える!」
デグーの抗議の鳴き声で「あら、怒ってる怒ってる(ニッコリ)」と可愛く思えてしまうものですが、もっと本気のときは別の鳴き声を発します。
地味な鳴き方なのですが、覚えておくといいかもしれません。
「グッグッ…」「ブッブッ…」のような短い濁音を小さな声で発することがあります。これは「こんなに怒らせて知らんぞ」という本気の合図で、デグーによっては人を噛むくらいの状態です(噛まれたことがある)。
デグー同士でこの声を出している時には喧嘩になることが多く、取っ組み合う前、噛み付く寸前に「知らんぞ…」みたいな感じで「ブッブッ…」と鳴きます。
オス同士の喧嘩の直前にありがち。
防げるようであればここで喧嘩を防いであげたいところですが、ちょっと現実的には難しい……。
デグーの喧嘩は仲裁に入ろうとすると飼い主さんの方が怪我をしてしまうことがありますから、どうか気をつけてくださいね。
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デグー「甘えたい!」
「チュピチュピ」みたいに、嬉しい時のピロピロをちょっとウィスパーな感じにした鳴き声を出す場合は、甘えたい時。
眠い時もこの声で鳴くので、撫でていると寝てしまうことも。「ピピピピピ」と小さめの声で囀っている時も甘え鳴き。デグーの性格によって雰囲気が異なります。
甘えかたに個性があるって、可愛いですよね。
「キュー…」「キュィー…」みたいな寂しそうな鳴き方は、寂し鳴きです。
飼い主の姿が見えないとき、いつもより構ってあげられない日などにはよくこの声で鳴いています。
帰宅後に「ただいま!」と話しかけると、それまでは機嫌よく回し車をしていたのに駆け寄ってきて、寂し鳴きをすることもあります。思い出し笑いならぬ、思い出し寂し鳴き?彼らの心象、複雑すぎますね!w
デグー「求愛!好き!」
「ヒョヒョヒョ〜↑♪」という鳴き声、なにそれってずっと思っていたのですが、仲間に気持ちを伝える求愛の鳴き声なのだそうです。
求愛の声はオスもメスも出しますが、我が家では出産経験のあるメスが寝る直前によく発しています。
このヒョロヒョロ〜は、母親が群れの子供たちに自分の居場所を知らせる鳴き声という説もあり、それめちゃくちゃ可愛いけど大丈夫かなと思います。
2年前に産んだ別ケージに住む子デグに「お母ちゃんだよ〜もう寝るよ〜」って言っているのかな……。尊い…
あとデグーが「ピー!ヒョー!(尻尾パタパタパタ!)」としているとき。
軽い縄張り争いでじゃれている、ということもありますが、オスの場合はメスの匂いで発情しているパターンもあります。
ここでメスがお尻をあげて受け入れればカップル成立、すると3ヶ月後にはおうちのデグーが2〜3倍に増えますので、もし繁殖を考えていない場合はケージはもちろん、お散歩も完全に別にしてあげましょう。