
多頭飼い……、多頭飼いねえ……。
デグーを1匹お迎えした後に、誰もが憧れるのではないかと思います。
デグー同士の鳴き声でのコミュニケーション、デグ団子、毛繕い。確かにずっと見ていても飽きません。
我が家では先住のオスデグーが死にそうに寂しがっていたことから思い切ってお嫁さんを迎え、子供デグーが産まれ、そこからあれよあれよと多頭飼いライフに突入していきました。
本記事では、多頭飼いをしたくて情報を集めているデグ飼いさんのために、多頭飼いの注意点やプロセス、組み合わせなどについて解説していきます!

デグーの多頭飼いをしたい飼い主さん集合!

我が家の先住デグーは3歳まで単頭飼いでした。
もともとかなり懐っこいタイプで、ペットショップのお姉さんの寵愛を受けていた彼は、筆者ともすぐに仲良くなってくれました。
しかしこれは単頭飼いあるあるだと思うのですが、懐きすぎてしまうと人がいない時に異常に寂しがってしまうんですね。
「行ってくるね」と声をかければ暴れ、言わずに出かければ帰ってきてから暴れ……。
ある日帰宅し、西日に照らされて朝と同じ場所でぽつんと座っている彼を見た時、「嫁が必要だ」と思ったのでした。(オス同士の多頭飼いはNGと聞いていたので、嫁という選択肢意外が頭に無かった)。
デグーの多頭飼いのメリット
我が家では先住デグーの寂しがりから踏み切った多頭飼いでしたが、本当に思い切ってよかったなと思っています。
ここに多頭飼いのメリットで思いつくものをまとめてみます。
- 構う時間が少なくても寂しがらなくなる
- ケージ内でよく遊ぶので運動不足が解消される
- ご飯を相手につられて食べるので食欲増進する
- デグ団子が見られる=多少の寒さはお互いの熱で凌いでくれる
筆者が多頭飼いに踏み切る前、先住デグーは生きることに飽きたようですぐに死んでしまいそうでした。
いや、病院で病気と言われたわけではありませんでしたが、あまり食べないし、動かない。
一日中座っていて、かまってもらえるときだけ嬉しそうにノロノロと寄ってくるのがなんとも切なかったのです。
お嫁さんに生後半年のデグーを迎えてからは、彼女に釣られて食べる遊ぶ。
それまでの鬱状態はまるでなかったことのようにすっかり元気になり、単頭に戻った7歳の現在は通い婚ではありますが、ピンピンしています。
デグーの多頭飼いのデメリット
デグーの多頭飼いの経験はたくさんしましたが、デメリットというか、やっぱり不測の事態は結構起こりました。
一般的に言われるデメリットと合わせて、ここにまとめてみたいと思います……!
- ある日突然に流血沙汰の喧嘩をすることがある
- 一度喧嘩したら2度と同室に戻せないことがある
- ケージの汚れが2倍になり掃除の頻度もほぼ2倍に
- 餌代、病院代など費用はざっくり2倍になる
「お金がかかりますよ」というデメリットは想像しやすいかもしれません。
ただ、2匹デグーがいると、1匹では消費しきれないお徳用のチモシーやペレットに手をつけられるので、うまくお買い物できればそこまで餌代の負担は跳ね上がらないような気がします。
家族が多い家に遊びにいくと、めっちゃすんなり夕食が出てくるのに似ていますね。
「ひとり増えたくらいじゃ変わんねえから!」と大家族の友達のお母さん大体言いませんでした?
それよりも、デグー同士の相性がいきなり悪くなってしまう可能性を頭に入れておくべきだと思います。
ケージはデグーの数だけ用意しておくのが基本です。デグーは社会性が高い動物で、揉めて仲が悪くなるという高度な理由で多頭飼いを解消しなければならなくなることがあります。
「昨日まで平気だったのに」どちらかの何かの行動が原因で、修復不可能な不仲になってしまうことは、決して珍しいことではありません。
▷【デグーの多頭飼いトラブル】尻尾かじりについて解説。遊びなのかアウトレイジなのかで対処は変わる!
デグーが多頭飼いになりやすい組み合わせを紹介

おそらくデグーの多頭飼いの相性に一番関係あるのが「デグー個々の性格」ではないかと思います。
おとなしいデグー同士、または元気なデグーと控えめなデグーのパワーバランスが取れている状態であれば、性別や血縁に関係なく仲良くしてくれることもあります。
我が家では「オス同士の多頭飼いは絶対喧嘩するのでNG」という情報を見て、「多頭飼い=嫁」という選択肢しかないと当時思っていました。
その後、多くの多頭飼いのお世話をしてきました。
結果的に、多頭飼いが成功しやすい組み合わせは「よくわからない」というのが正直なところです。
これから紹介する組み合わせは「多頭飼いが成功する確率がやや上がる」くらいに見ていただくのがいいと思います。
この通りにして、イケることもあればダメなこともある、という感じです。
メスデグー × メスデグー
メス同士のデグーはオス同士に比べて喧嘩の割合が下がります。
ちょっとした小競り合いはありますが、血が出るほどの本気の喧嘩にはほとんどなりません。
一般的に多頭飼いにおすすめと言われているのがこのメスメスペア。
とはいえ、我が家では血が繋がったメスデグー(母と娘)が流血沙汰のものすごい喧嘩をしてしまい、それから顔を見るたびにお互い飛びかかるくらいに不仲になってしまったことがあるので、これも決して絶対ではないのです……。
オスデグー × メスデグー
増やす気持ちでつがいにするパターン。
オスの単頭飼いを多頭にしようと思ったら、この選択肢が一般的です。
さて、デグーは1回の交配でしれっと妊娠し、3〜10匹の子供を3ヶ月後に産みます。
稀に、一度の出産を経たら、それから交配せずに夫婦で暮らしてくれるデグーもいるようです。
が、我が家の先住デグーは、当然ですが嫁の顔を見るたびに交配しようとするので、結局ケージを別にすることになりました。
オスメスの組み合わせは必ず妊娠出産がセットでついてくること、さらにメスは3歳以降の妊娠が体の負担になりますから、長期的な多頭飼いは難しいことを知っておきましょう。
兄弟同士のデグー(同性同士)
授乳期から一緒に暮らしていた兄弟デグーであれば、オス同士でもずっと仲良くしてくれることがあります。
メス同士でも同様で、子デグのデグ団子がそのまま大きくなった姿を見られるのは、この授乳期から一緒パターンが多いです。
先住が1歳以上、飛び入りデグーが1歳未満
血縁があるのが望ましいのですが、無くても意外と仲良くやってくれるのがこの“舎弟パターン”。
彼らの社会性はケージの中でも発揮されていて、多頭飼いであれば自分の役割に沿った動きをするのがデグーです。
幼いデグーと多頭になると、1歳を超えた大人のデグーは幼いデグーの世話をしてくれることがあります。
幼いデグーも兄姉デグーには逆らわず、何をするにもついて回ったり甘えたりして頼りにします。
ただ、どちらのデグーも大人になってからがケージ分けになるか否かの境目で、ここで兄弟のパワーバランスが崩れてしまうと(弟の方が強くなっちゃうなど)、修復不可能な兄弟喧嘩になってしまうことがあります。
デグーの多頭飼いをする前に覚悟すべきこと

デグーを多頭飼いにするためには、覚悟が必要なことがいくつかあります。
先にもちょこちょこお伝えしていましたが、ここでさらに「デグーの多頭飼いをする前に覚悟しておくべきこと」をまとめていきます。
多頭飼いにならないかもしれない
一番は、これ。多頭飼いにならないかもしれません。お互いに相性が悪く、はじめから本当に全くダメということもあり得ます。
そんな時は別のケージで並べてずっと飼ってあげる必要がありますから、「ケージがずっと2台になるかもしれない」という覚悟は必要です。
思ったよりも懐かないかもしれない
多頭飼いに成功したとして、先住がまだあまり人に懐いていない状態だった場合、後から飼ったデグーも人になつきにくい傾向にあります。
デグーは周囲を観察しますから、先住が人にどういう対応をしているか見るんですね。
「後から多頭飼いしたデグーは、思いのほか懐かないかもしれない」ということを心に留めておいたほうがいいでしょう。
▷懐かないデグーとの暮らし方。仲良くなる方法と懐きやすいデグーの特徴について
先住デグーと生活スタイルが全く違うかもしれない
性格の相性が問題なく、多頭飼いができた場合でも、デグーが同じものを好んで食べてくれるとは限りません。
また、同じ敷き材や回し車が好きとも限らないので、2匹の嗜好に合わせた生活スタイルを考えなければいけなくなることもあります。
なるべくデグーが偏食しないように気をつけながら「デグーによって好みのごはん、ケージアイテムが違うかも知れない」と考えておくのが良いでしょう。
赤ちゃんが10匹産まれるかもしれない(経験談あり)
「赤ちゃん楽しみだね〜」「3〜10匹生まれるらしいよ」「ふーん!5匹くらいかな」。で、蓋を開けたら9匹!
3ヶ月くらい経つとみんな結構大きくなってきますから、ひしめいていましたw 我が家です。
常に「ピャー!」と誰かの鳴き声がする状態で、親デグーは忙しくも嬉しそう。
我が家では、離乳からさらに1ヶ月以上を親元で暮らさせて、各所で里親募集。
性別ごとにケージを分けてお世話しながら、のんびり良い里親さんが現れてくれるのを待ちました。
多くの方とやりとりし、最終的に6人の里親さんにデグーをお迎えしてもらいました。1年半くらいかかったかな、と思います。
「里親に出すなんて!」という意見も結構見かけるのですが、筆者個人的には、11匹のデグーとしてアップアップお世話されるよりは(筆者のキャパの限界……)、里親さんにとってのたった1匹の幸せなデグーとしてデグ生を過ごしてもらったほうが、デグー的に良いのではないかなと考えてます。
▷デグーの里親を募集したい方へ。里親さんを探す方法と応募者さんとの関わり方について
「いっぱい産まれちゃったけど、責任持って面倒見なきゃ!」という姿勢はもちろん絶対に必要ですが、それは「最後まで面倒を見る=キャパを超えても飼い続ける」ということではなく、
デグーにとって最良な環境を探してあげるのも一つの選択肢ではないかな。と、ワンちゃんの繁殖所崩壊の実態などからより強く思いますね……。
いきなり同居はNG!多頭飼いはステップを踏んで

さて、多頭飼いの大変なところばかり紹介してしまったような感じがしますが、実際はまったく辛いものではありません。
何にせよデグーが増えたら可愛いも増えるわけですから、必要な覚悟さえ決めればあとはお迎えあるのみです。
新しいデグーをお迎えしたら、隣にケージを並べてしばらく暮らし、慣れてきたら一緒に散歩……という感じで少しずつ仲良くさせてあげましょう。
ある日デグー達が一緒に散歩していて、何気なく二人でひとつのケージに帰って行った時は、もう本当に例えようのないくらい嬉しかったのを覚えています。
早速、ケージを一つ片付けて(早すぎw 参考にしないでw)、その日から我が家の多頭ライフがスタートしました。
ほんと、楽しいですよ。ちょっと最後、語彙がいってしまいましたが、多頭楽しいのです。